教科書を読む。線を引く。ノートに書き写す。時間はかかるし、やった感覚もある。でも翌週には消えている。
原因ははっきりしています。これらは全部「入れる作業」だからです。
読んでいる最中、その情報は目の前にあります。目の前にあるものを認識するのは簡単です。だから「分かった」という感覚が生まれる。ですが本番では、目の前に何もない状態で思い出さなければなりません。練習していない動作を本番でやろうとしているのと同じです。
もうひとつ、読み返すと文章が見慣れてきます。見慣れると「知っている」と感じます。この感覚が厄介で、覚えていないのに覚えたと錯覚させます。
| 入れる作業 | 出す作業 |
|---|---|
| 教科書を読む | 隠して答えを言う |
| 解説を読む | 解説を見ずに解き直す |
| ノートに書き写す | 何も見ずに書き出す |
| 動画を見る | 見たあとに要点を口で説明する |
| 線を引く | 線を引いた箇所を隠して思い出す |
左の列が悪いわけではありません。最初は必要です。問題は比率で、多くの人は9対1くらいで左に偏っています。
これを5対5に近づけるだけで結果が変わります。同じ1時間でも、30分読んで30分思い出すほうが、60分読むより残ります。
問題として出されれば、思い出すしかありません。
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「隠して思い出す」を自分でやり続けるのは、思っているより難しいことです。思い出せないと不快なので、無意識に読むほうへ戻ってしまいます。出題される形にしてしまえば、思い出す以外の選択肢がなくなります。間違えた問題は記録され、忘れたころにもう一度出てきます。
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覚えた直後にもう一度見ても、あまり意味がありません。まだ覚えているからです。思い出す作業に負荷がかからないと、定着しません。
間隔を空けて、忘れかけたころに思い出す。少し苦しいくらいがちょうどいい。
| 何回目 | いつやるか |
|---|---|
| 1回目 | 覚えたその日 |
| 2回目 | 翌日 |
| 3回目 | 1週間後 |
| 4回目 | 1か月後 |
厳密にこの通りである必要はありません。大事なのはだんだん間隔を広げることです。
ただし、この管理を紙でやると必ず破綻します。単語1つずつに「次いつやるか」を書いていられないからです。ここは仕組みに任せるべき部分です。
赤シートで隠して、1秒で意味が出てくるかを見ます。3秒考えて出てくるのは、覚えていないのと同じです。本番で使えません。1冊を短い期間で何周もするほうが、1周を丁寧にやるより残ります。
用語だけを覚えると忘れます。出来事のつながりで覚えてください。「なぜそれが起きたか」「その結果どうなったか」をセットにすると、1つ思い出せば芋づる式に出てきます。教科書の見出しだけを見て、その中身を説明できるか試すのが早いです。
暗記と理解が混ざっている科目です。用語は暗記、計算は理解。分けて扱ってください。計算問題を暗記で乗り切ろうとすると、数字が変わった瞬間に解けなくなります。
範囲が広いので、全部を均等に覚えようとすると破綻します。過去問で出ている頻度に応じて、覚える優先順位を変えてください。出ないところを完璧にしても点になりません。
やることが増えたように見えますが、実際は時間が減ります。読み返す時間がなくなるからです。全体を3回読むより、1回読んで2回思い出すほうが早く終わって、しかも残ります。
見ながら書き写すのは効果が薄いです。何も見ずに書き出すなら、それは出す作業なので効果があります。同じ「書く」でも、見ているかどうかで別物です。
あります。ただし文章を見ながら読むだけだと入れる作業です。一度読んだあと、見ずに言えるか試してください。
睡眠中に記憶が整理されることは知られているので、覚える作業を寝る前に持ってくるのは理にかなっています。ただし翌朝に思い出す作業をしないと、やはり残りません。
やり方の問題であることがほとんどです。読んでも覚えられないのは全員同じで、たまたま早い段階で「思い出す」やり方に切り替えた人が覚えられているだけです。
個数を決めるより、時間を区切るほうがうまくいきます。20分やって、思い出せた数を数える。それが今の自分の速度です。他人と比べても意味がありません。