トレーニング理論

体幹深層筋の鍛え方完全ガイド
【腹横筋・多裂筋を強化する科学的アプローチ】

「腹圧の維持を上達させたい」「体幹の安定性を上げたい」「アスリートとしての出力の底上げをしたい」——こうした目標に必要なのは体幹深層筋(コア)を効率的に刺激する正しいトレーニングです。本記事では解剖学とバイオメカニクスの観点から、体幹深層筋の鍛え方を完全解説。推奨種目10選初心者から競技アスリートまでの実践プログラムよくある失敗5つと対処法を網羅した保存版ガイドです。

2026年5月8日 公開/読了 約15分/株式会社ネクシェア

1体幹深層筋(コア)の解剖学

体幹深層筋(Deep Core/Inner Core)は体幹の安定性を担う4つの深層筋の協調システムのことで、「腹横筋」「多裂筋」「横隔膜」「骨盤底筋群」から構成されます。これらは協調して「腹腔内圧」を生成し、脊柱と骨盤を安定化させます。

体幹深層筋の4つの構成要素

体幹深層筋の働き

体幹深層筋は「腹圧の生成・維持」「脊柱・骨盤の安定化」「四肢動作前の予備緊張」を担います。アスリートの研究では、動作開始の30〜100ミリ秒前に腹横筋が予備的に収縮することが示されている。すべての力強い動作の前提となる「中心の安定性」を生み出すのが体幹深層筋です。デッドリフト、スクワット、投球、スイングなど、すべての動作の根幹を支えます。

2鍛えるメリット5つ

3推奨トレーニング種目10選

1
デッドバグ

仰向けで対角の手足を交互に動かす。コアの予備緊張を訓練。

10レップ × 3セット(左右) / 週2〜3回
2
プランク

うつ伏せで体幹を一直線に保つ。コア全体の等尺性強化。

30〜60秒 × 3セット / 週2〜3回
3
ブレーシング(腹圧呼吸)

立位で腹圧をかけながら呼吸する練習。すべての種目の前提技術。

10秒×10セット / 毎日
4
バードドッグ

四つ這いで対角の手足を伸ばす。多裂筋・腹横筋の協調訓練。

10レップ × 3セット(左右) / 週2〜3回
5
ホロウボディホールド

仰向けで体幹屈曲位を保持。コアへの長時間等尺性負荷。

20〜30秒 × 3セット / 週2回
6
90/90 呼吸

仰向けで腰を浮かせ膝を90度。横隔膜の機能訓練。

10呼吸 × 3セット / 毎日
7
パロフプレス

ケーブルを胸の前で持ち、横方向の負荷に耐える等尺性種目。

30秒 × 3セット(左右) / 週2回
8
サイドプランク +脚上げ

サイドプランクの上で上の脚を持ち上げる。コア横の難度アップ版。

30秒 × 3セット(左右) / 週1〜2回
9
ファーマーズキャリー

重いダンベルを両手に持ち歩く。動的なコア安定性を訓練。

30〜60秒 × 3セット / 週1〜2回
10
デッドリフト(腹圧維持版)

デッドリフトで腹圧維持を強化。実用的なコア機能を強化。

5レップ × 5セット / 週1〜2回

4初心者編:基礎構築プログラム

初心者は、呼吸とブレーシングの基本から始めます。

初心者向けプログラム(週3回・各15分)

初心者の鉄則

体幹深層筋は「呼吸との協調」が決定的です。ブレーシングは「お腹を360度に広げて、呼吸を止めずに圧をかける」感覚。お腹を凹ませる(ドローイン)とは別の技術です。スクワット・デッドリフトの重い重量を扱うときに必要なのはブレーシングの方です。3〜4週間で感覚が出てきます。

5中級者編:伸び悩み解消と専門化

中級者は、動的な負荷と非対称負荷でコアの機能を高めます。

中級者向けプログラム(週2回・各20分)

伸び悩みの3つの原因と解消法

原因1:重量を扱う種目で腹圧が抜ける

解消法:ブレーシングと呼吸の協調がまだ不完全。軽重量のスクワットで「動作中ずっと腹圧を保つ」練習を繰り返す。3〜4週間で改善する。

原因2:プランクで腰が落ちる

解消法:腹横筋への意識的接続が不十分。プランク前にドローインで腹横筋を予備緊張させてから入る。骨盤を後傾(腹を凹ます)してから保持。

原因3:腰痛が改善しない

解消法:多裂筋への意識的刺激不足。バードドッグの動作を「片手・片足ずつ」より丁寧にゆっくり実施。骨盤の左右の高さを鏡で確認しながら動作する。

6アスリート編:競技別の特化トレーニング

競技スポーツのアスリートにとって、体幹深層筋は「すべての動作の前提となる安定性の生成源」です。

競技別の推奨プログラム

① ウェイトリフティング・パワーリフティング

② 投擲・打撃系(野球・ゴルフ・テニス)

③ ランナー・トライアスリート

④ 格闘技・コンタクトスポーツ

トレーニングを記録して、就活で「努力の見える化」を

筋トレ記録アプリ「筋肉就活(Musclelog)」は、毎日のトレーニングを記録して継続力を可視化。
記録した努力データと体育会系・アスリートの強みを、業界別に最適マッチングする就活サービスにつなげます。

App Storeで入手 → Google Playで入手 → 筋肉就活サービスの詳細 →

7よくある失敗例5つと対処法

失敗1:ドローインとブレーシングを混同する

原因:目的が違う2つの技術を混同して、種目の効果が出ない。
対処法:ドローイン=お腹凹ませて静的に保つ、軽い動作向け。ブレーシング=お腹を360度に広げて圧をかける、重い動作向け。重量挙げではブレーシングを使う。

失敗2:プランクで腰が落ちる

原因:腹横筋・多裂筋の協調不足。骨盤前傾になっている。
対処法:骨盤を後傾(腹を凹ます意識)。耳・肩・腰・膝・足首の一直線を作る。長く保持するより質を優先。

失敗3:呼吸を止めて種目を行う

原因:短時間なら問題ないが、長時間続くと血圧が上がりすぎ危険。
対処法:1セットの長さを短く取り、息継ぎを意識的にする。長時間の保持系種目は5〜10秒×複数回に分割。

失敗4:腹直筋ばかり鍛えて深層筋を無視する

原因:シックスパックは見えるが、腹圧の維持はできない。重量挙げで体幹がぐらつく。
対処法:腹直筋種目(クランチ)とコア深層筋種目(プランク、デッドバグ)を週2回ずつ別の刺激パターンで実施。

失敗5:コア種目を毎日大量に行う

原因:他の筋肉同様、48時間の回復が必要。慢性疲労の原因。
対処法:週2〜3回の専門デーで集中的に行う。毎日行うのはブレーシング、呼吸ドリルなど低負荷のものに限定。

8よくある質問(FAQ)

ドローインとブレーシングの違いは?

ドローインはお腹を凹ませて腹横筋だけを意識的に活性化する技術で、軽負荷の動作や姿勢改善に有効です。ブレーシングはお腹を360度に広げて腹腔内圧を最大化する技術で、デッドリフトやスクワットなど大重量の動作に必須です。重い重量を扱うときはブレーシング、日常姿勢ではドローインと使い分けます。

コアトレーニングの頻度は?

週2〜3回が標準的な目安です。コア専門の日(プランク・デッドバグなどメインの種目)を週2回、ブレーシングや呼吸ドリル(低負荷)を毎日が理想です。プランクなど高強度種目を毎日行うと回復が追いつかず、効果が頭打ちになります。

コアの強さは何で測れる?

プランク60秒以上保持、サイドプランク45秒以上保持、デッドバグ正確に12レップが中級者の目安です。プランクが30秒以下、サイドプランクが20秒以下なら、コア深層筋がまだ弱い状態。腰痛のリスクも高い状態と言えます。まずはこの基準に到達することを目標にしてください。

コアトレーニングは腹筋を割るのに効果ありますか?

腹直筋(シックスパック)を作るには、コア深層筋トレーニング+腹直筋専用種目+体脂肪減少の3つが必要です。プランクやデッドバグなどコア種目は腹直筋にも刺激が入りますが、見た目を変えるにはクランチやアブローラーなど動的種目を組み合わせるのが効率的です。

デッドリフトでベルトを使うのとコア強化は両立する?

コアが弱いまま重いベルトに頼ると、コア機能が育ちません。体重×1.5倍までのデッドリフト・スクワットはベルトなしで行うのがおすすめ。それを超える高重量で初めてベルトを使うと、コア強化とパフォーマンスの両立が可能です。日常の練習はベルトなしでブレーシング技術を磨く時間と捉えてください。

株式会社ネクシェア ロゴ
株式会社ネクシェア(Nextshare Corporation)

静岡県富士市拠点のアプリ開発企業。代表取締役・吉村拓真は元バレーボール部ウイングスパイカー、現在は起業家として体育会系学生のキャリア支援とフィットネスアプリ開発に注力。