共通テストの独学でつまずく人の多くは、やることが分からないのではなく、やる順番を間違えています。過去問を早く始めすぎたり、夏まで参考書を読み続けたりする。
時期ごとの役割はほぼ決まっています。まず全体を見てください。
| 時期 | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| 高2の冬〜春 | 英語と数学の基礎を入れ直す | 過去問、応用問題 |
| 高3の春〜夏 | 全範囲を一周。理科と社会に着手 | 完璧を目指すこと |
| 高3の夏 | 抜けている単元を潰す | 新しい参考書を増やすこと |
| 高3の秋 | 過去問と実戦形式の演習 | 基礎からのやり直し |
| 直前1か月 | 間違えた問題の回収 | 新しい範囲に手を出すこと |
この表の右側、「やらないこと」のほうが大事です。独学は誰も止めてくれないので、やらなくていいことに時間を使っても気づけません。
高3の4月から始めても間に合わないわけではありません。ただし科目を絞る必要が出てきます。国公立で5教科7科目を独学するなら、高2の冬が現実的な出発点です。
理由は、英語と数学が積み上げ式だからです。この2科目は短期間で伸びません。単語も文法も計算も、覚えてから使えるようになるまで時間がかかります。
逆に理科と社会は、後半でも間に合います。覚えることが中心で、範囲が区切られているからです。だから先に英数、あとから理社という順番になります。
高2の冬にやるのは1つだけです。英語なら単語帳を1冊決めて終わらせる。数学なら教科書レベルの問題集を1冊終わらせる。難しいことはしません。
何が分かっていないかは、自分では分かりません。
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独学に塾のペースメーカーがない以上、自分の抜けを外から指摘してくれる仕組みが要ります。解けた問題は出さず、間違えた単元から優先して出題するので、得意な範囲ばかり回してしまう独学特有の失敗を防げます。
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よく言われる言葉ですが、中身が曖昧なまま使われています。共通テストにおける基礎とは、教科書の例題レベルを、解説を見ずに解ける状態です。
判定方法は単純です。教科書か基礎レベルの問題集を開いて、ランダムに10問選んで解く。8問以上を解説なしで解ければ基礎はできています。それ以下なら、まだそこにいるべきです。
夏の終わりにこの判定をして、8問未満なら秋に過去問へ進んではいけません。基礎が抜けたまま過去問をやると、点が取れない理由が分からないまま時間だけ減ります。
秋からで十分です。夏より前に始めると、基礎が固まっていないので解けず、しかも問題を消費してしまいます。過去問は有限です。
年数の目安は、共通テストの過去問に加えてセンター試験の過去問も使う形で、合計10年分前後。ただし年数より回数のほうが重要です。10年分を1回ずつ解くより、5年分を2回ずつ解いて間違いを潰すほうが点になります。
2回目で同じ問題を間違えたら、それは覚えていないということです。印をつけて、直前期に回収します。
模試を受ける目的は判定を知ることではありません。間違いの種類を数えることです。
判定は結果であって原因ではないので、A判定でもE判定でも、次にやることは変わりません。返却されたら、間違えた問題を3つに分けて数を数えてください。10分で終わります。
| 種類 | 状態 | 次にやること |
|---|---|---|
| 知らなかった | 習っていない、覚えていない | その単元に戻る。伸びしろ |
| できなかった | 知っていたが出てこなかった | 演習量を増やす |
| ミスした | 分かっていたのに間違えた | 解く手順を固定する |
「知らなかった」が多いなら、まだ伸びます。入れれば点になるからです。「できなかった」ばかりなら、必要なのは時間と演習量で、残り期間との勝負になります。
新しいことをやらない期間です。ここで新しい参考書に手を出すのは、不安を紛らわせているだけで点にはなりません。
やるのは回収です。これまでに印をつけた間違いを、全部解き直す。それだけで1か月は埋まります。
最後の1週間は、覚え直しに全部使ってかまいません。直前に入れた知識でも点になります。とくに理科と社会は、直前の詰め込みが一番効く科目です。
科目を絞れば可能性はあります。5教科7科目を全部というのは厳しいので、志望校を私大に切り替えて3科目に絞るなどの判断が要ります。早いうちに絞る決断をしたほうが、全部を追いかけて全滅するより結果は良くなります。
1科目あたり基礎1冊と演習1冊、合計2冊で足ります。冊数が増えるほど1冊あたりの周回数が減り、どれも中途半端になります。新しい参考書が欲しくなるのは、たいてい今の1冊が退屈になったときで、それは解ける問題ばかり解いている合図です。
塾の価値は、やる内容を決めてくれることと、強制的に机に向かう時間ができることです。この2つを自分で用意できるなら独学でも上がります。どちらも用意できないなら、塾かそれに代わる仕組みが必要です。
時間より中身です。3時間のうち解けない問題に向き合ったのが20分なら、その日の勉強は20分です。時間を数えるのをやめて、間違えた問題を何問潰したかで数えてください。
均等にやると1科目あたりの演習量が足りません。1科目に集中して上げ切ってから次に移るほうが、結果的に全体が早く上がります。ただし英語だけは毎日触ってください。空けると落ちます。